税理士法人山中税務会計事務所

なるほど税務

文書の郵送と収受の日

2009年11月17日 20:29

 申告書の提出は、今や電子申告なので国税通則法22条の規定を気にする必要ありません。しかし届出書等まだ紙ベースで作成する書類があるので、この条文の理解も実務では大切なことです。


納税者が提出する書類の効力は、書類が税務官庁に到達した時に生ずる到達主義が原則です。

しかし、国税通則法22条は、納税申告書(添付書類を含む)については通信日付印により表示された日を提出日とみなす発生主義を適用しています。

この法律は、平成18年に改正されました。国税庁長官が定める書類についても、発生主義を認めることとなりました。


国税庁告示第7号の別表で掲げる書類(後続手続きに影響を及ぼすもの)は、原則の到達主義によるという規定の仕方をしています。


従って、実務では一番重要な消費税の選択届出書も発生主義の適用をうける事となります。

当事務所で実際にあった事例です。個人納税者の消費税の選択届出書は、課税期間が暦年の為、12月31日までに提出しなくてはなりません。年末に検討して、簡易課税選択届出書を12月26日に郵送にて提出し正月休みに入りました。


年明けて1月6日の仕事始めに、税務署から返信された届出書の、収受印の日付を見てびっくり!「平成21年1月5日」になっていました。慌てて、税務署に確認したところ「12月26日」に受付したとのこと。


後日税務署幹部に確認したところ、処理は次のようにしているとのことでした。
1)年末の郵便物は、閉庁後は郵便局で止まっている。
2)役所の仕事はじめの日に郵便物を取りに行き、その日の収受印を押す。
3)申告書等の税務署処理欄の通信日付印の箇所に確認印を押す。

ただし3)については、「法人部門は返信控えにも押すが、個人部門は、返信控えには押さない」というバラバラの対応とのこと。


控えにも通信日付確認の印を頂かないと、納税者は困ります。たとえば、もしこの納税者の申告を他の税理士が代理することとなった場合、納税者の手元にある簡易課税選択届出書では、簡易課税の適用は平成22年からと誤認してしまうからです。

また、年末が近くなりましたので、再度税務署には、改善を申し入れました。その結果当該要望が国税局にあがり各署にて統一した対応になる方向で進んでいるそうです。

2009/11/17 ky