税理士法人山中税務会計事務所

なるほど税務

万が一に備えたデータの保存・管理

2011年8月20日 13:34

 東日本大震災により被災地の会計事務所では、紙のデータはもちろん電子データもほとんど全滅なのではないだろうか。
今後、関東地方に限らす日本全国で地震による被害がいつ発生しても不思議ではない。
今まで真摯に考えていなかった会計事務所データの保存・管理を考え直す必要がある。

 当事務所の現時点のデータバックアップを紹介すると、次のようになっている。
 (サーバーを設けずに安価で済ませるシステムとしては、お勧めできる自信のシステムです。)


  ・事務所内の複数のパソコンは有線でLAN接続されているが、セキュリティを考慮しネット接続にはしていない。
  ・データは、各パソコン(クライアントに相当)のハードディスクに保存される。
  ・各パソコンのデータは、サーバーとしての位置づけのランディスクにバックアップ保存する。
  ・毎日一定時間(事務所の営業終了後の夜の時間)に、ランディスクのデータは自動的に外付けのハードディスクにコピーされる。
  ・毎週末に、外付けのハードディスクを交換して私が自宅に持ち帰る。

IMGP3712.jpg

 従って、パソコンが壊れてもランディスクに、ランディスクが壊れても外付けハードディスクに、事務所が被災しても自宅ハードディスクに
 データは保存されています。

右がランディスク、左がハードディスク。サーバーとミラーリングの役割をしている。

 

 しかし、仮に事務所と自宅が同時に被災した場合には、データはアウトになってしまいます。
 そこで考えられる対策としては、ファイルストレージ。すなわちネット上のクラウドにデータを保存することです。


 被災後、様々な業者からファイルストレージの案内文書が沢山送られてくるようになりました。
 具体的には当事務所では
  ・財務ソフトPCAのクラウドサービス「PCA For SaaS」
  ・達人ソフトNTTデータの「達人Cubeファイルストレージ」
  ・NTTビズリンクの「イージーDRサービス」


 ネットに預けるという不安もあるが、コストもかかる・・・・。
 そこで、最近iPadで使い始めたDROPBOX(ドロップボックス)を利用できないか考えてみた。
 
 PCAの会計ファイルと達人の税務申告ファイルをDROPBOX(ドロップボックス)に落としてみた。
 どうやら簡単に保存は可能である。


 事務所のランディスク及び外付けハードディスクのデータ量は先日確認したところ11GBでした。
 従って、DROPBOX(ドロップボックス)の無料2GBでは不足だが、有料で容量を追加したところでコストはたいしたことはない。

 
 DROPBOX(ドロップボックス)はデータ転送時、AES-256による暗号化でファイルを保護している。
 しかし2008年時の最新暗号化技術だし、なんといっても第三者が提供する外部サービスに大切な顧客データを預けるのでそのままアップして置くのは無防備かも・・・・。


 そこで調べてみると同じ考えの人が世の中には居るようです。
 対策は、暗号ソフト「TrueCrpt」を併用するらしい。
 いきなり仕事のデータをDROPBOX(ドロップボックス)に落として「TrueCrpt」で暗号化するのは、IT知識に自信のない私には難しいので、まずはプライベイトなファイルで試してみようと思います。


 震災だけでなく知人の事務所が最近火災で全焼しているので、紙のデータも電子化してクラウドに預ける必要もあるのだろうか・・・?


2011/08/20 ky