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2011年4月 8日 13:14
3月決算法人のお客様の一社に上場会社の連結子会社あるので、毎年この時期同じテーマの研修に参加しています。「税効果会計」です。
本年も3月31日に税務研究会主催で「税効果会計の実務対応」が開催されました。
会場は満員の生徒さん達で熱気ムンムンでした。出席者は、毎回公認会計士か大手上場企業の経理部の人々のようです。
今回の講師は、「税効果会計の本質」へのアプローチが前回までの講師と異なり新鮮で理解しやすかった。
「税引前当期純利益と会計上の税金費用(法人税等)とのアンバランスをバランスさせるための会計処理」と説明されてました。
そして、実務上一番大切なのは、「繰延税金資産の回収可能性の判断」、すなわち将来において税金の減額効果が発揮されるか否かということだと力説してました。
具体的な手順としては、監査委員会報告が示した5業績区分の定義があり、その分類ごとに回収可能性の判断をするのだそうです。このあたりの領域は、税理士のそれではなく、会計士や会社経理のもの・・・・。
さて、今回はふたつの不測の事態が、税効果会計に影響を及ぼすこととなりました。
ひとつは、法人税の5%減税を含む平成23年税制改正法案が不成立になってしまったことです。
繰延税金資産は、将来減算一時差異に法定実効税率を乗じたものになります。そして税率変更があれば、公布日基準により決算期末日に公布されている税率に基づいて計算されます。
従って、今回は、税率見直しの計算が不要になりました。これは企業側には無駄な手間が省けたことになります。
そしてもうひとつは、「東北関東大震災」が発生したことです。これにより繰延税金資産の回収可能性の判断には大きな影響がでることになりました。
被災地に工場等を有する法人は当期決算にて特別損失処理をし、多額の欠損金を計上することとなるでしょう。さらに、将来の課税所得見積もりは厳しいものとなります。
繰延税金資産の回収可能性の判断は、毎期見直す必要があるものとされています。従って、今期繰延税金資産の計上ができないだけでなく、過去に計上した繰延税金資産を取り崩さなくてはならない事態も考えられます。
その結果として法人税等調整額が計上されれば当期業績利益を余計圧迫することになります。
もちろん被災地の法人に関しては、決算や申告どころの問題ではないけれど・・・・。
2011/04/08 ky
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