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2010年12月 7日 15:04
税理士にとって、お客様の法人のほとんどは非上場の同族会社です。そしていつでも悩ましい問題は、取引相場のない株式・出資の取引における時価の問題です。
静的な時価すなわち相続・贈与であれば、相続税法22条を受け、相続税財産評価基本通達1(2)にて「時価はこの通達の定めによって評価した価額による。」と明示されています。(もちろん、売買実例や不動産鑑定による価額を時価とすることもあります。)従って取引相場のない株式の具体的な取り扱いは、「178から189-7」にて規定されています。
しかし動的な時価すなわち売買では、法人税・所得税ともに取引時価が基本ですが、時価についての具体的算定方法は、法令には一切規定されていません。ここに悩みの出発点があります。
取引相場のない株式については、法人税では基本通達9-1-13、所得税では基本通達59-6(所得税ではこれだけでは対応できないので法人税基本通達を援用)に、具体的取り扱いが規定されいます。
そして、結局は相続税財産評価通達により所を求めることとなるのですが、ご存じのとおり取引相手によって原則的評価(純資産価額方式・類似業種比準方式)だったりあるいは特例的評価(配当還元価額方式)だったりして、複雑な事になっています。
先日お客様で平成元年に社員持株会を組織した法人から買い戻し等の相談を受け、その際に購入した「従業員持株会の法務・税務」(中央経済社)という書籍があります。
内容は「持株会」が中心ですが、取引所相場のない株式の時価の取り扱いが大変理解しやすく表現されています。専門書的な難しい表現ではなく、同じ説明が少しくどいくらい重複しますが、「講義」を聞いているようで楽しく読み切ってしまう珍しい税務の本です。
持株会については、その本来の目的と本音の目的、その実体がないければ否認されてしまうこと、竹中工務店の事件、最近の傾向では必ずしも配当還元や額面で固定して良いのかなど、大変役に立つ内容でした。
2010/12/07 ky
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